「勝ち続ける中でレギュラー争いをしていく」
「あれだけゴールを挙げてきた選手で、そのことを忘れてはならない」と指揮官は今までの実績に評価を与えていたのだが、前述のとおりチーム事情がボナベントゥーラと本田の同時起用を許さない。
「同じポジションに2人の偉大な選手がいる。どちらか1人を選ばなければならないのは監督として辛いことだ」とこぼしていた。
「点を取っているのはチームの中ではトップの方だし、それは理由にはならないと思う。おそらくいろんなものが絡んで、優先順位として自分が外れたというふうに納得するしかない」
本田はチェゼーナ戦にそう語っていたが、会見でインザーギ監督はそのあたりのことを正直に明かしたわけだ。
「チームが機能して、自分が出た時にやりやすいんであれば。勝ち続ける中でレギュラー争いをしていくほうが、よりチームにとってはいい」と本田は前向きに語っていたが、その言葉通りまずはチームが、そして何より監督が落ち着くのを待つしかないのだろう。
その上で、ボナベントゥーラにはなく本田にあるストロングポイントをアピールしていくほかはない。
キエーボは、本田がFKでゴールを決めた前半戦とは多少違うチームになっている。コリー二監督が序盤戦の成績不振で解任され、かつてカターニアで好成績を挙げたマラン監督が指揮。そのもとで組織守備が強固になり、中盤の選手が攻守にハードワークをこなす。
【次ページ】途中出場などチャンスをものにできるか