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ドルトムントのエース、ダービー初得点で真の“レジェンド”へ:マルコ・ロイス

text by 加藤友 photo by Getty Images

ダービーのゴールで真の“レジェンド”へ

 今季こそ怪我の多いロイスだが、その実力に疑いは無い。現地では2500万ユーロ(約35億円)の違約金で2015年の夏以降に移籍可能とも報道され、バイエルン・ミュンヘン、レアル・マドリーなどビッグクラブを含む数多くのクラブから興味を示されていた。冬の移籍市場では、ドルトムントは来季のCL出場どころか残留さえ危うい状況で、タイトル争いを望むロイスの移籍は濃厚と思われていた。

 しかし、10日に他クラブとの交渉は行わず2019年6月30日までの契約延長を発表。その背景には昨年、ロイスの数年にわたる偽造免許証での無免許運転が発覚した際に、クラブを中心に地元メディア、サポーターが守ったためだという。許される行為ではない上に、処分が軽いという多くの批判にさらされながらも「十分に反省している。社会的処罰はもう受けた」と、ユルゲン・クロップ監督を含むクラブは制裁を与えずロイスを擁護した。

 ロイスは「ドルトムントでプレーしたい。このクラブを助けたい」と、今度は自分が降格危機にある地元クラブを救うために残留を決断。言葉だけではなくプレーでも決意を示すかのように発表前のフライブルク戦からリーグ3試合連続得点で3連勝に貢献した。契約延長発表直後のマインツ戦ではドルトムント通算50点目となるメモリアルゴールを決め、サポーターも全員がスタンディングオベーションで迎え「Danke Marco(ありがとう。マルコ)」と、歓迎している。

 ミヒャエル・ツォルクSDも「(フィリップ・)ラームや(バスティアン・)シュバインシュタイガーのようになってほしい」と、バイエルン・ミュンヘンの生え抜き選手を例に挙げ、“レジェンド”になることを期待している。

 すでに“レジェンド”として認められつつあるロイスだが、ドルトムントに在籍してからのダービーの成績は1勝2敗1分け。さらにロイス自身は得点を獲っていない。ダービーでの初ゴールでチームの復活をアピールするとともに、真の“レジェンド”だと証明する。

【了】

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