大手製薬会社バイヤーがメインスポンサー
「素晴らしい闘いは報われる」と見出しを付けたのは、2015年2月26日付のキッカー紙である。同紙は続けて「アトレティコ・マドリーに対するハカン・チャルハノール(21)の決勝点は突然バイヤー・(レバークーゼン)の将来への新しい展望を切り開く」と小見出しを付けている。
25日にチャンピオンズリーグの決勝ラウンド第1戦が行なわれ、レバークーゼンは1stレグをホームでアトレティコ・マドリーと戦い、見事1-0で勝利を収めた。
キッカー紙は、昨季スペイン王者に対するレバークーゼンの戦いぶりについて、「良く戦術的に構築され、情熱的であり、敵に対してカウンターを仕掛けようと、ボール奪取の後には素早く切り替えようと常に構えていた」と形容している。実際、それは確かに“レバークーゼンらしからぬ”戦いだった。
レバークーゼンが、強豪としてドイツ国内で確固たる地位を築いていることは間違いない。近年では、バイエルン、ドルトムントと並んで、CL出場チームの常連となっている。
一方で、そのバイエルンやドルトムントに比べると、どこか野心に欠けるところもある。大手製薬会社のバイヤーがメインスポンサーとしてどっしりと構えていることの安心感もあってか、身の丈を超えていこうとしないところがあるのである。
ブンデスリーガ、ドイツカップ、CLで好成績を残すことが出来ればそれで十分…強豪として名を馳せながら、未だリーグタイトルに恵まれないのは、そういった精神の現れと言えるだろう。
もちろん、そのレバークーゼンの在り方が、一概に悪いものとも言い切れない。国内で定期的に結果を残しながら、CLの出場権を獲得するのは簡単ではない。経営的には、そのコンスタントな結果で何ら問題はない。