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日本代表 10年前

【識者の視点】ハリルホジッチとラウドルップ。2人の監督候補の特徴から読む、日本代表との適性

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

成功と失敗

 これまで比較的小規模なクラブを指揮してきたにもかかわらず、ラウドルップは両国で結果と内容が伴った成績を残すことに成功した(スウォンジーでは2013年に歴史的なリーグカップ制覇を達成)。世界から見れば“トップチーム”ではないサムライブルーにとって、限定された戦力で最高の結果を出す指揮官の方が選手をうまく機能させる可能性がある。

 しかしながら、ラウドルップはいくつか失敗の経験があることも忘れてはいけない。例えば、2009年にはシーズン全体の成績不振でスパルタク・モスクワを解雇され、2011-12シーズンには序盤でマジョルカの監督を退任。スウォンジーでも就任期間終盤はチームを機能させることが出来ずにシーズン半ばで解任された。

 代表チームの指導経験はさらに限定的だったが、情熱がなかったわけではない。ラウドルップはモアテン・オルセン率いるデンマーク代表でコーチを務め、2002年のワールドカップでベスト16入りに貢献。4-2-3-1を敷くオルセンは、素早いショートパスとポゼッションで構築されるフットボールを重用し、ラウドルップの助言者として最も大きな影響を与える存在となった。

 ラウドルップの日本での選手経験もポジティブな要素である。実際、1996年にヴィッセル神戸に加入すると、JFLからJリーグ昇格に大きく貢献した。だが、より高いレベルでの競争を求めたラウドルップは、1997年に欧州へ戻るためアヤックスへ移籍した。

 日本代表の監督になるのであれば、彼は今日に至る日本フットボール界の進歩や注目度を肌で感じることになる。ラウドルップの選手時代の経歴と端正な容姿があれば、彼は信用ととも仕事を始められるだろう。

 ラウドルップは現在、カタールリーグで2位レフウィアと1年契約を結んでいる。日本代表を引き継げるのはフリーになる6月からになるが、ラウドルップにとって次のワールドカップも出場が濃厚なサムライブルーを2018年まで指揮することは、彼のキャリアとって大きな転機となり得る。

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