1-0が10試合のモナコ。アーセナルに感じた一抹の不安
90分を終えた結果がその過程にそぐわないことは、往々にしてあるものだ。それが偶然の産物であることも少なくはないが、明確なプランを持ち、完璧に遂行しての勝利であれば、それは“アンチ・フットボール”などではなく立派なフットボールだ。
この日、アーセナルのホームに乗り込むモナコは、ウィリアムヒル社のオッズでアーセナルの1.53倍に対して7.5倍と大きな差を付けられ、組み合わせ抽選後にアーセナルの選手たちはソーシャルネットワーク上で喜びのコメントを投稿していた。
しかし、プレビューでも紹介した通り、モナコはグループステージを3勝2分け1敗の勝ち点11で首位通過しており、その6試合で4得点1失点。リーグ戦、CLと合わせて1-0で勝利した試合が10試合もある。
これまで、アーセナルは魅力的なフットボールで多くのファンの心をとらえ続けてきたが、重要な一戦や守備の固いチームを相手に星を落とし続けてきたことも事実。
モナコの戦績を見れば、アーセナルの5シーズンぶりのベスト8進出に一抹の不安を覚えた方も多いはずだ。
そして結果は3-1。その不安は的中し、モナコが下馬評では絶対的不利とされていたアウェイで勝利をつかんだ。
スタッツを見てみると、支配率はアーセナルの57.5%に対してモナコは42.5%。パス本数は461本に対して334本、アタッキングサードでのパス本数は163本に対して89本、シュート数は14本に対して10本と多くの面でアーセナルが上回った。
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