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1-2は敗北にあらず。“大きな幸運”を手にしたドルトムント。2ndレグは「1-0で勝てばいい」

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ピシュチュクが負傷に見舞われる不運も…

 この1点が、CL決勝ラウンドでのアウェイゴールであることを考えれば、キエッリーニのミスがドルトムントにとって、この上ない幸運だったことは間違いのないところである。先制された後ではなおさらのことだ。

 ドルトムントは幸運をものにはしたが、32分には、不運に見舞われてしまう。ピシュチェクが負傷して、ギンターと交代となった。ピシュチェクの代わりとなる、右SBを専門に務めることの出来る選手はベンチにはいない。

 クロップは試合後に「ピシュチェクが負傷さえしなければ素晴らしい試合だった」と語っている。ピシュチェクの交代によって、ドルトムントは若干、守備のバランスを崩した。そして選手交代枠を一枚使ってしまう。クロップはまた、これによって戦術的交代の枠が狭まったことも述べている。

 そして前半終了間際の43分、テベスが左サイドへパスを送り、ポグバが折り返す。モラタが押し込んで、ユベントスが再びリードを1-2に広げる。

 ドルトムントは、サヒンとギュンドアンを中心としてボールを回し続けたが、ユベントスの強固な守備に脅威を与えるとまでは行かなかった。

 CFのインモービレは、中盤に下がってボールを受けるなど精力的に動いたが、少しボールを持ちすぎる嫌いがある。そしてそれはムヒタリヤンも同じだった。シュトゥットガルト戦のような前線の連係を見ることは出来なかった。

 逆にユベントスには88分、抜け出したペレイラにわずかに右に逸れるシュートを打たれるなど、もう2点は入っていてもおかしくないシーンを作られている。

 それでもアウェイゴールを奪っている。これは本当に大きい。クロップは「ホームで1-0で勝てばいい」と言う。それは多少の不運は吹き飛ばす、大きな幸運とも言えるのかもしれない。

 最終的なスコア1-2を、素直にドルトムントの敗北と捉えることはできない。ドルトムントは「1-0で勝てばいい」残り90分を、ホームで戦う。

【了】

UCL14/15 ラウンド16 ユベントス×ドルトムント ハイライト


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ドルトムント対ユベントス

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