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【イタリア人の視点】CLユーベ対ドルト戦を読む5つのポイント。香川はなぜベンチだったのか?

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

香川の出番が訪れなかったことは何を意味するのか

 2つ目には、やはり『香川の出番がなかったこと』である。この試合でユルゲン・クロップ監督は、最後の交代カードに香川ではなくヤクブ・ブワシュチコフスキを選んだ。香川のプレースタイルを考えれば、イタリア王者相手にこの日本人選手が出場していてもおかしくはなかった。クロップの選択に肩を落としたのは私だけではないはずだ。

 これについては、深い意味があると考えるべきかもしれない。ドルトムントは若手中心で本能的にプレーし、香川にとっては最適なチームであった。しかし、リーグ戦で3連勝を収めているとはいえ、残留争いが終わったわけではない。今は、若さ故の軽さがなくなり、慎重さが求められる時期にある。全ては監督が決めることだが、ドイツ人指揮官は、香川を100%信頼していなかったのではないだろうか。

 もちろん、ユベントスの下部組織出身であるチーロ・インモービレにリベンジの機会を与えたことも少なからず影響はあるだろう。

 これまで、この舞台で最も成功を収めた日本人選手は内田篤人と長友佑都である。過去にチームの主軸としてベスト16の壁を突破したのは、彼らだけだ。

 日本では香川や柿谷曜一朗といった攻撃的な選手に目がいきがちだが、実際にはCLにおいて現地の最も高い評価を得たのは、内田と長友である。もちろん彼らが所属するシャルケやインテルはドルトムントとは異なるし、彼らのプレースタイルも違う。しかし、内田は2011年にベスト4進出に大きく貢献したことで、チームでの地位を築き、高い評価を得た。

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