迷いを吹っ切った後半戦。復調の中心に
今季のボルシア・ドルトムントにとって、最も重要な2連戦となる。2月24日は、チャンピオンズリーグの決勝ラウンド第1戦1stレグを敵地でユベントスと戦う。そして28日はホームで、永遠のライバルであるシャルケとのレヴィアダービーである。
前半戦では一時期、最下位にまで落ちて降格圏に沈んだドルトムントは、ここに来てようやく復調の兆しを見せ始めた。第22節のシュトゥットガルト戦を3-2の勝利で終えて、3連勝を飾ったドルトムントは12位に浮上する。
負傷離脱から復帰したサヒンは、ギュンドアンとのダブルボランチでチームに安定をもたらした。他のビッグクラブへの移籍が噂されていたロイスは契約を延長し、クラブに勢いを持ち込んだ。そしてさらには、復調の中にいる香川真司の存在である。
マンチェスター・ユナイテッドから復帰した直後の前半戦では、常にどこか迷いのようなものが感じられた香川だが、後半戦では打って変わって溌剌とした姿を見せ始めている。
後期の開幕戦、結局出番のなかったレバークーゼン戦の後でもコンディションの良さに手応えを感じていた香川は、その2試合後のフライブルク戦で遂に先発へと戻った。ロイス、ブワシュチコフスキらとの見事なコンビネーションでオーバメヤンの決勝点をアシストし、勝利に貢献する。
連勝のマインツ戦の後では、状態の良さだけでなく、「自信はもっと出て来ています」とコメントを残している。アジアカップでのPK失敗が、返って何かを吹っ切ったのだろうか。
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