ダビド・ルイスの中盤起用が機能
ところが、ピンチに置かれたことでチームは覚醒した。ふだんのリーグ戦では「他のチームはスパイクを履いてプレーするが、PSGはビーチサンダルでやっている」と揶揄されるほど力を抜いていると思われている彼らだが、この試合では顔つきが違っていた。
モッタとキャバイエの両ボランチが負傷したことで、ダビド・ルイスをアンカー役に据えたが、この急造フォーメーションも機能した。
古巣のチェルシーでは経験済みのポジションとはいえ、主将のシウバによれば、このシステムを練習で試したことは一度もなく、ぶっつけ本番だったという(正確には、カーン戦でマテュイディが交代した後の終盤20分間、ルイスは中盤でプレーしている)。
そんな万全とはほど遠い状況の中、チェルシーに先制点こそ与えたが、シュート数でも大きく上回り、GKクルトワの好セーブに救われたことは試合後敵将モウリーニョも認めている。
このチェルシー戦はメディアも「今季1番の試合」と褒め讃え、サポーターの信頼も回復して、CLのようなビッグマッチ以外では静まり返っているスタンドも、次のトゥールーズ戦ではキックオフから終了までチャントが続いた(これはパルク・デ・プランスでは珍しい)。
そのトゥールーズ戦では、人員不足のおかげでスタメンをゲットした若手MFラビオが2得点と発奮し3-1で快勝。首位のリヨンの試合が一日遅れだったことで、わずか24時間という短い間ながら、今季初めて首位の座に立った。
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