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本田圭佑 10年前

錯綜する憶測――。システム変われど本田の役割は変わらず。指揮官は格下チェゼーナ相手にも慢心なし

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

降格圏チェゼーナにも油断大敵

 さて相手のチェゼーナだが、19位に低迷し降格まっしぐらという状況から、ここに来て息を吹き返してきた。昨年12月に就任したディ・カルロ監督によるチームの再建がここにきて奏功し、前節はユーベ相手に真っ向勝負を展開。あわや勝利をもぎ取るというところまで追い詰めた。

 恐れることなく高い位置からプレスを仕掛け、ボールを奪えば見事なショートカウンターで攻めるというのがディ・カルロ得意の戦術である。長身のドゥリッチか、爆発的なスピードのあるデフレルにぶつけるというサッカーはシンプルながら迫力がある。トップ下から切り込み、意表をついたアイディアでシュートを狙ってくるブリエンツァも非常に手強い存在だ。

 そして彼らを後押しするのが、タフな3ボランチの守備だ。もし本田がトップ下で出場する場合は、潰し屋タイプのデ・フェウディスと当たることになる。スペースを消してくる相手の動きの裏を取り、DFラインと中盤の間のスペースに入り込むことができるかが勝負となるだろう。

 ユーベ戦を見た限りでは、チェゼーナの一体感はミランのそれを上回っているような印象を受けた。正直今回も苦戦しそうだが、もし負ければ降格圏突入というまさかの展開も訪れる。しかしそこに耐え、これまでの試合で時折見せていたスピーディな攻撃でねじ伏せたい。そして本田は、それを演出できるか。攻守の素早い切り替えとゴール前での仕事ぶりに期待したい。

【了】

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