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本田圭佑 10年前

本田が気づいたミランの異変。不調をもたらした恐怖心と10番が目指すべき一歩先

15日のエンポリ戦をドローで終えたミラン。前半にデストロのゴールで先制したが、後半に同点ゴールを許し、格下相手に勝ち点1を得るに留まった。不完全燃焼に終わったミランだが、本田圭佑は改めてこの試合を振り返った。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

どこでエネルギーを消費すべきか?

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本田圭佑【写真:Getty Images】

 エンポリのレジスタ、バルディフィオーリからノープレッシャーでパスが回り、左SBのマリオ・ルイが走る。そのカバーに戻り縦ヘ突破するコースを切ったと思えば、後方ではラミがエンポリの左インサイドMFクローチェに付ききれず、フリーとなっている。そこでまたスイッチ――。

 15日のエンポリ戦、本田圭佑は幾度となくそんな動きを繰り返していた。サイドで数的不利が生じ、いっぺんに二人を見なければならなくなる。これは運動量を要する。「疲れている」「コンディション不良」といわれていたが、フィジカルコンディション自体は問題ないようにも見えた。

「いいですね。全体的に動けていると思うし、実際にそれはデータを見ても維持されてますから、まったく問題はないと思います」

 事実試合後、本田はそう語った。しかし問題は、どこでエネルギーを消費するかだ。

「まあそれをディフェンスで使うか、いいところで使うかっていうチームの状況が、今の自分の結果にもつながっているかなと思うんですけど」

 4-4-2の右MFとして、プレイエリアが一列下がった。深い位置まで戻り、時にサイドバックの仕事もフォローをしなければならない。それをこなしつつ、かつ前に出て行けというのは大変である。チーム全体がバラバラな中、本田がサボればさらに左を崩されて失点していただろう。

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