“ギブミーチョコレート人事”はやめるべき
日本のサッカー報道で盛んに使われる「世界」、それをW杯優勝経験国に限り、彼らの例に学ぶとすれば、最も重視すべきは、(もちろん一部には例外もあるとはいえ)ほぼ総じて彼らの国々が「自国民監督」で独自の歴史を重ねてきたという事実である。もちろん、勝ったり負けたりを繰り返しながら。
強くとも長く勝てなかったスペインは、W杯初出場から実に76年もの時を経て初の世界制覇を成し得てみせるのだが、その間、同国の代表を率いた監督20人すべてがスペイン人である(※パウリーノ・アルカンターラはフィリピン人、ラディスラオ・クラバはハンガリー人だが、ともにスペイン国籍保持者で元スペイン代表選手)。
ドイツ(西ドイツ)も計10人が全員。ブラジルに至っては述べ27人すべてがブラジル人監督である(アルゼンチン、ウルグアイ、イタリア、イングランド、フランスは1人を除いて自国出身監督)。
自国の歴史は自分たちで作るものであり、当然サッカー史も同じだ。その本質を忘れてはならない。
繰り返す。どこぞの国の誰ならば「ボクたちを強くしてくれる?」というような情けない議論と、いわゆる“ギブミーチョコレート人事”はもういい加減、やめにしようではないか。
一国の代表を率いる監督とは、W杯の試合開始前、あの極限の緊張の中で、選手達と共に国歌を力強く斉唱できる者でなければならないと私は思う。
【了】
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