補強面と総合力それぞれの診断結果
補強評価 A
積極補強で陣容はJ1仕様。視界には「昇格」の2文字のみ
昨季の低迷の原因として、リーダー不在が挙げられていた。試合中、練習中、上手くいかなかった時にその一声だけで雰囲気をリセットできる存在がおらず、悪い流れをずるずると引きずってしまう場面が多く見られた。
それを踏まえ、今季は各ポジションに経験豊富なベテランを補強した。DFには2年ぶりの復帰となる茂庭照幸と、かつてG大阪でACL優勝経験のある中澤聡太を。MFにはマルチな活躍を期待できる元日本代表の橋本英郎を。そしてFWには日本代表として2度W杯に出場した玉田圭司を獲得した。
いずれも日本代表や世界の舞台を知り、リーダーになれるメンタリティを備えている。彼らがそれぞれのポジションで若い選手たちの見本となり、正しい方向へと導いてくれるはずだ。
そして、フォルランも無事契約を延長した。夏以降の去就は不透明だが、不完全燃焼だった昨年の鬱憤を爆発させる活躍に期待したい。
純粋な新戦力で注目はレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)に在籍した経験のあるパブロだ。大柄ながらドリブル・パス・シュートすべての能力が優秀な有望株で、幅広いポジションで活躍できる。特大のポテンシャルを秘めたストライカーは練習試合ですでに好プレーを連発しており、周囲との関係も良好。積極的に日本のサッカーに順応しようと日々努力を重ねている。
フォルラン、カカウ、パブロ、玉田を揃える前線はJ2のレベルを超越した破壊力を発揮してくれるに違いない。
総合力評価 A+
各ポジション充実。2チーム分の戦力が揃う
昨季は柿谷曜一朗の移籍や、山口蛍の長期離脱に加え、主に負傷で主力を欠いて臨む試合が少なくなかった。そういった試合で出番を得た選手たちが結果を残せず、最終節を前に降格という屈辱的な結末となってしまったのだ。
それを踏まえ、今季は各ポジションに同程度の実力者を2人以上揃えている。万が一誰かが欠場しても、レベルを落とさずに戦える陣容が整っていると言える。
即戦力として計算できるCBが5人、両SBも2人ずつ、中盤と前線に代表クラスの選手たちが加わり、層の厚さはJ1でも十分に通用するレベルにあるだろう。
注目点は、高卒ルーキー7人と20歳前後の若手たちがいかに成長し、中堅・ベテランたちとのポジション争いに食い込めるか。チーム全体で健全な競争を1年間通して続けることができれば、J1昇格だけでなく、さらにその上でも戦えるチームへと変貌を遂げるはずだ。
【了】
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