一時は機能したコンパクトな守備
ロナウド、マルセロに、イスコが加わったとしても、さらにノイシュテッターが対応する。ディ・マリアを欠いたマドリーは、昨季と比べて縦への迫力がなく、カウンターにも力がなかった。内田の言うシャルケの「コンパクトな守備」が機能し続けた。
しかし一瞬の出来事だった。26分、カルバハルの右からのクロスに、ロナウドに先制点を許す。先制されてしまうと、シャルケのスタイルはゴールを奪い返すことが難しい。マドリーの3トップの存在もあり、ボールを奪ったとしても前に人数を掛けていくことができない。
そして33分には、フンテラールが負傷交代となってしまう。それまでのフンテラールは、例えば収めどころとして十分に機能していた訳ではなかったが、この時点で大勢は決してしまったのかもしれない。シャルケは柱を欠いた。
74分には、ボアテングからのロングボールを上がった内田が落として、プラテがシュートを放つ。ポストを直撃したボールを、内田が詰める。しかし決め切ることは出来なかった。実際、シャルケの決定的チャンスはこの場面のみと言って良かった。
そして79分、惜しい場面に湧いたスタジアムの気を挫くかのように、マルセロが追加点を奪う。
「難しいことをやっていないんだけど、点取るでしょ、すげえとこにボール蹴るでしょ、早く正確に、止める、蹴る、走る…」
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