補強面と総合力それぞれの診断結果
補強評価 B
隠れた実力者たちが加入。高木監督の下で本格開花なるか
今季、長崎の補強で目立つのはやはり若さだ。熊本から加入した27歳の高橋祐太郎を除き、他は全員25歳以下の選手ということからも明確な強化方針が見て取れる。
注目は徳島から加わった2人だろう。10番を背負う花井聖は、名古屋U-18時代から有望株として注目を集めていた選手で、司令塔として中盤を支配できるポテンシャルを秘めている。
優れたパスセンスを持つ一方で、メンタルとフィジカルに課題を抱えるが、経験豊富な高木監督の下でどのような成長を遂げるか楽しみな選手に間違いない。
2人目は同じくMFの李栄直だ。守備能力に魅力のある大型ボランチで、1月には北朝鮮代表としてアジアカップ出場を果たした。アジアの舞台ではグループリーグ敗退に終わったが、代表の主力として国際経験を積んだことで一回りも二回りも成長した姿に期待したい。
湘南から加入した梶川諒太や名古屋から加入した刀根亮輔も実力は確かだが、もう一人、早稲田大学から加入した上形洋介も楽しみな存在だ。
大柄な体格で、獣のようにゴールを狙うストライカーの大きな武器は勝負強さだ。伝統ある早慶戦で4試合3得点を挙げているように、大事な試合、大事な場面でその真価を発揮してきた上形には、試合の流れを一気に変えるだけのポテンシャルがある。
まずはプロの世界に慣れることが先決だが、チャンスを確実にものにする力は重要な場面でチームの大きな支えになるはずだ。
総合力評価 B
新戦力がハマれば台風の目に
チームの陣容が大きく変わっただけに、戦術や連携の浸透に時間がかかる可能性はある。しかし、各ポジションに実力のある選手たちを揃えているだけに、うまくハマれば上位進出も十分に狙える。
まず取り組むべき課題は、新戦力のフィットと控えメンバーの底上げだ。昨季は離脱者が続出した際、代わりに出場した選手たちがチームにうまく馴染めず勝ち星を逃してしまった。
今季も同じことが起こらないとは限らない。経験が浅く、若い選手たちの潜在能力は未知数で、読み切れない部分も大きいが、各々が高い意識を持って課題克服に取り組み、健全なポジション争いが生まれればチーム力は大きく成長するだろう。
ベテランたちが率先してチームを引っ張り、若い力で全体を押し上げていければ、J1への扉もおのずと開いてくるはずだ。
【了】
フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→