自力優勝の算段がついたバルサ
次の日には何が起こるかわからないというのは、スペインでもサッカー界で頻繁に使われる言い回しの一つだが、現在リーガの首位を走っているレアル・マドリーをここまでFCバルセロナが追い上げることになろうとは、誰が想像しただろうか。
昨年、12月にクラブワールドカップを初制覇し、クリスティアーノ・ロナウドが2年連続で3度目のバロンドールを手にした時、今季のマドリーの勢いを止められるチームはないだろうと周囲は疑わなかった。
年が明けて、首位のマドリーがバレンシアを前に黒星を喫したが、その差を詰められる絶好の機会にFCバルセロナもレアル・ソシエダを前に負け、周囲からの不満はそこで一斉に噴出した。
さらに、強化担当ディレクターがジョセップ・マリア・バルトメウ会長の怒りを買って急遽解任。メッシとルイス・エンリケが衝突し、メッシがその腹いせに異例の公開練習を欠席とFCバルセロナのクラブ内に不安要素が次から次へと膨れ上がった。
当然のことながら、ルイス・エンリケへの非難の矢も降った。グループ内を収める能力に欠けるのではないか、いくら元キャプテンとしてサポーターに愛されていても、さすがにメッシを抑えきれるだけのリーダーシップには不足しているのではないか、などの批判はやむことがなかったが、ルイス・エンリケ本人は基本的にそういった批判などは「見ない、聞かない、自分を信じる」の姿勢を貫いていると記者会見で公言していた。
それから1ヶ月が過ぎ、依然としてマドリーはリーガで単独首位を走っているが、12月に見せていた勢いはない。2位につくFCバルセロナは勝ち点1点差と迫り、クラシコがまだ一戦残っている今、自力で優勝を勝ち取れる算段がついた形となった。