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本田圭佑 10年前

不当なガゼッタ紙のジャーナリズム――。低迷が続くミランの“スケープゴート”となった本田圭佑

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

自らの役割に徹した本田

 本田は確かにエンポリ相手に素晴らしい活躍は見せられず、ミランの変動する中盤に順応できたとは言い難い。だが、彼は決してワーストプレーヤーなどではない。

 GKディエゴ・ロペスは恥ずべきプレーでレッドカードを受けて退場した。ラミとパレッタは、マッカローネに苦戦を強いられていた。ポーリは平凡なプレーに徹し、メネズはゴールに関与こそしたが、それ以外は消えていた時間も多い。

 本田のパフォーマンスをデータから見れば、3回のタックルは全て成功し、1対1の場面では半分以上(14回中8回)も相手に競り勝っていることからも、本田は“守備”という与えられた役割をこなしていたことがわかる。

 本田をワーストプレーヤーに選ぶことは恣意的で不公平なものだ。それ以外のスポーツ紙『トゥットスポルト』と『コリエレ・デッロ・スポルト』でも、採点は「5」と評価していた。

 ミラノの大手新聞社のひとつである『イル・ジョルナーレ』でも同じ採点が与えられる一方で、もうひとつの『コリエレ・デラ・セーラ』では「ボールを持ってプレーしようとトライしていたが、守備での奮闘が本田のエネルギーを奪った」として「5.5」を付けていた。

 後者の採点はフェアな判断である。ミランの脆弱さが本田にどれほど守備面で過度な任務を与えているかを考えれば、同紙の評価の正当なものであることがわかる。

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