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本田圭佑 10年前

不当なガゼッタ紙のジャーナリズム――。低迷が続くミランの“スケープゴート”となった本田圭佑

ミランは15日のセリエAで格下ともいえるエンポリ相手にドローで試合を終えた。前半に幸先よく先制点を奪いながら、同点ゴールを許し、またも勝ち点3を逃した。そして、大手メディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、日本代表の本田圭佑にまたも厳しい評価を与えた。

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

本田に厳しい評価を与えたガゼッタ紙

粗末なガゼッタ紙のジャーナリズム――。低迷が続くミランの“スケープゴート”となった本田圭佑
厳しい評価を与えられた本田圭佑【写真:Getty Images】

 ミラン対エンポリ戦で見せた“ロッソネリ”の低調なパフォーマンスによって、試合は興奮とは程遠いものとなった。ホームで勝利を期待し、極寒の中で選手を見守った3万人のミラニスタは、試合が終わるや否や、心を砕かれたようにブーイングと口笛を浴びせた。

 数字というものは分かりやすい反面、議論も難しくするものだ。1月に即戦力として期待された選手を獲得したにも関わらず、2015年のミランは7試合でたった5ポイントしか稼げておらず、インザーギ監督のチームはベルルスコーニ政権史上最悪の1試合平均勝ち点数を記録している。

 勝ち点やゴール数といったデータは誰の目から見ても明確なものだ。しかしイタリアでは毎週、ファンやメディア、そして選手に多大な影響を与える数字がある。それが個人採点だ。

 このシステムは、イタリアの全ての学校で使われていた、成績をつける上での古いスタイルからきている。子供たちは宿題や試験の成績を10段階で評価され、「6」は合格、「5.5」以下は落第を意味する。

 学校での採点法が数十年前に変わった一方で、フットボールでは以前と変わらない10段階のスタイルが使われており、その数字の範囲は大抵「4」(チームの敗北に繋がる酷いパフォーマンス)から「8」ないし「8.5」(チームを勝利に導く素晴らしいプレー)の間に収まる。「5」以下と「8.5」以上はシーズンを通しても滅多に見られない。

 イタリアの大手スポーツ紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』では毎試合ベストプレーヤーとワーストプレーヤーを選出しているが、ミラン対エンポリ戦で彼らが下した選択が、私がこのコラムを執筆するきっかけを与えた。

 ワーストプレーヤーに選出されたのは本田圭祐だ。紙面では「ジャングルに迷い込んだ本田は道に迷い、戻り方を見つけられていない。創造性はゼロ。(レアル・マドリーのガレス・)ベイル程にもない敵に踏みつけられた」とし、採点は最悪の「4」だった。

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