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小さな“イレギュラー”が分けた明暗。負けに等しいPSG、モウリーニョの真髄を発揮したチェルシー

チャンピオンズリーグ(CL)ベスト16、1stレグ。チェルシーはアウェイでPSGと対戦し、苦しみながらも1-1で引き分けた。チェルシーにとって、負けなかった上にアウェイゴールを手にした結果は勝ち抜けを大きく手繰り寄せるものとなっただろう。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ジエゴ・コスタを孤立させたPSG

小さな“イレギュラー”が分けた明暗。負けに等しいPSG、モウリーニョの真髄を発揮したチェルシー
CBとしてプレーしてきたダビド・ルイスをアンカーに起用【写真:Getty Images】

 180分の終了後、明暗を分けるのはほんの小さな“イレギュラー”なのだろうか。

 ホームで絶対に落とせないPSGは、チアゴ・モッタが負傷欠場ということもあって、ここまで出場した全試合でCBとしてプレーしてきたダビド・ルイスをアンカーに起用。

 ブラン監督は、1つのアウェイゴールで敗退を喫した昨シーズンの経験から、立ち上がりは守備に意識を置きつつ、カウンターから得点を狙っていた。

 この策は、ダビド・ルイスを中盤に起用したことでうまくハマった。中盤の守備でセスク、マティッチ、ラミレスからのパスを寸断し、前半のみで8度のインターセプトを記録。

 チェルシーは前半、支配率54%に加えてパス本数でもPSGの258本を上回る293本を出しながら、センターFWのジエゴ・コスタが孤立。45分間を通してアタッキングサードでボールに触れたのは、わずか5回。1本のシュートを放つこともできなかった。

PSGのセンターFW、イブラヒモビッチは前半45分間にアタッキングサードで10回のボールタッチを記録し、3本のシュートを放っているだけに、両者の違いは明らかだった。

 さらに、PSGはダビド・ルイスの守備力、ヴェラッティの創造性、マテュイディの運動量で中盤を制した。

 チェルシーはボールを持たされながら攻めきれず、PSGは中盤でボールを奪いカウンターでゴールに迫っていた。

 ところが35分、この両チームの明暗を分けることになるかもしれない1つの“イレギュラー”が発生する。

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