絶対的ストライカー豊田が残留
最後まで上位陣に食らいついた鳥栖だが、昨シーズンはユン・ジョンファン監督が突然解任されるなど混乱もあった。それでも、下位に落ちることなく戦い抜けた。選手たちは、これまで培ってきた闘志を前面に押し出すプレーを続けることで底力を見せた。
豊田陽平は前線で身体を張り、キム・ミヌは豊富な運動量で攻守に渡って大きく貢献した。特にこの2人は攻撃に欠かせない存在として輝きを放った。豊田は得点ランキング2位の15点挙げるなど、昨シーズンも絶対的なストライカーとして鳥栖を支えた。キムも左サイドを主戦場に攻撃の一翼を担った。他のクラブも欲しい人材だが、彼らは残留を決意。鳥栖で何かを成し遂げようという気概が見られる。
驚異的な運動量は全選手に共通するが、カウンター時に相手ゴール前まで多くの選手が走り込むなど、チャンスと見た時の決断力はリーグ屈指だろう。右サイドの水沼宏太も年々クロスの精度が上がっており、豊田とのホットラインは相手にとって厄介な武器だろう。
豊田、キム、水沼に池田圭を加えた前線の4枚は心強い。今季から完全移籍でペク・ソンドンが加わった。裏への飛び出しを特徴とする韓国人アタッカーは、レギュラー争いに名乗りを挙げられるか。ただ、控えの陣容はやや心許ない。播戸竜二が大宮アルディージャに移籍し、貴重なサブを失った。他クラブからの補強は京都サンガの田村亮介(期限付き)に留まった。
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