赤嶺はFW争いを盛り上げられるか
躍進を支えたのは強力2トップだ。怪我で出遅れた宇佐美貴史が復帰し、前線に軸ができる。そして中断期間に獲得したパトリックが大当たり。屈強なフィジカルだけでなくディフェンスラインの裏への飛び出しも得意で、相手のラインを下げさせ、味方の押し上げに一役買った。ブラジル人FWが相手を引きつけることで、バイタルエリアでは宇佐美が自由にその能力を発揮。互いに相乗効果を生み出し、G大阪の攻撃を2倍、3倍に引き上げた。
そんなFW陣には赤嶺真吾を補強。安定したポストプレーで周囲を活かすことができ、昨季は9得点と一定の数字も残した。現状はバックアッパーだが、連携を深めることでレギュラー争いに名乗りを挙げたいところだ。
中盤では遠藤保仁と今野泰幸のダブルボランチが攻守に渡ってチームを操った。とりわけ今野のボール奪取力は秀逸で、最終ラインの前で彼が相手の攻撃を食い止めることで、守備陣の負担を軽減させた。また今野がいるという安心感もあり、前線の選手が攻撃に専念できたという側面もあるだろう。
さらに大森晃太郎や阿部浩之といった、J2で過ごした2013年に長谷川健太監督に起用されてきた若手も確実に戦力となった。“長谷川チルドレン”の活躍なくして3冠はなかった。
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