「何度ダビド・デ・ヘアに救われただろうか」
現在のチームでは、アンヘル・ディ・マリアは他の誰よりもリスクを冒そうとしてきたが、残念ながらうまくは機能していない。彼は何度もボールを失っており、それに対して見返りはほんのわずかでしかない。ディ・マリア以外に関しては、ポゼッションに重きが置かれているようだ。さらに言えば、ポゼッションへの執着がある状態だ。
ユナイテッドのファンは、攻撃的なチームを見ることができるのであれば、ポゼッション率が40%であろうが気にすることはないだろう。私の経験から考えれば、例えユナイテッドが最高のメンバーを揃え、ピーター・シュマイケルやエドウィン・ファン・デル・サールがゴールを守っていようとも、ゴールを奪われることがあるのはサポーターも理解している。我々は無謀なわけでも純真なわけでもなかったが、最大の狙いはいつも攻めることだった。相手より多くのゴールを奪うことができると自分たちを信じていた。
今シーズンのユナイテッドも、何度ダビド・デ・ヘアに救われただろうか。彼がいなければ順位は今より3つか4つは下だったかもしれない。
比較の対象としているのがユナイテッドの歴史上の黄金時代であり、それが永遠に続くものではないことは私も分かっている。大勢の素晴らしいフットボーラーたちと一緒に、史上最も偉大な監督のもとでプレーできたことは幸運だった。だがクラブの気風というものや、どう戦うかという基本理念は、クラブ史上で最も偉大な個人をもさらに越えて生き続けるべきだ。ユナイテッドといえば攻撃サッカーであり、それ以外の全ては後回しにされなければならない。