攻撃面で0点の本田。スタッツにも表れる
そして、そのダウングレードに最も影響を受けているのが本田の右サイドだろう。
状態の良い時には、トップのメネズが中盤へ降りることでスペースを作り、ウイングの本田が中へ絞る。そして、本田が空けたサイドのスペースをSBのアバーテが使い、インサイドハーフのポーリがパスを供給する。
さらには、本田が積極的にペナルティエリア内に入ることで左のエル・シャーラウィがクロスからアシスト役として得点をお膳立てした。
この一連のメカニズムは機能し、本田は7試合で6得点を挙げた。しかし、その後は12試合で無得点と沈黙。
この試合のプレーエリアを見ると、アタッキングサードの中央が9.84%。例えば、1得点を挙げたエンポリとの前回対戦では同エリアで27.05%を記録している。
そして、79分間の出場でシュート数はゼロ。チャンスメイクも1回のみで、『Squawka.com』のパフォーマンス・スコアを見ると、攻撃で0点。しかも、79分間で一度も変動することなく0点をキープしている。
この評価は失敗をすればマイナスにもなる。つまり、本田は79分間で攻撃に関しては「何もしていない」という評価なのだろう。
フィジカル勝負でボールをキープしたり、ポジショニングで味方のためにスペースを作るなどチームに貢献した部分も多少はあったが、違いを生み出すほどの存在感はなかった。
しかし、これはメネズが中盤に降りてもデストロがいることと、アンカーを廃止したためポーリが攻撃に比重をかけられなくなったこと、さらにはアバーテの負傷不在が響いているといえる。