W杯イヤーに届いた珠玉のサッカー本の中で選ばれたのは?
「東京国際フットボール映画祭」の熱気も冷めやらない秋葉原UDXシアターにて行われた「サッカー本大賞2015」の授賞式では、初めに選考委員長を務める佐山一郎氏より、今回ノミネートされた12作品の優秀作品に賞状が授与された。その後、本年度の「サッカー本大賞」「翻訳サッカー本大賞」「読者賞」の発表へ。
最初に発表されたのは、サッカー専門Webサイト『フットボールチャンネル』上で読者の投票を一番多く集めた作品に贈られる「読者賞」。
発表された受賞作は2014年度に出版されたサッカー本の中で圧倒的な存在感を放った『通訳日記 ザックジャパン1397日の記録』(矢野大輔 著、文藝春秋)。審査委員の「代表監督の通訳という仕事のあり方を大きく変えた非常に重要な作品である」という講評からもわかる通り、本書は多くの人の記憶に新しい本年度話題ナンバーワンのサッカー本である。
受賞した矢野大輔氏は、壇上で「今日は監督がいなくてちょっと心細いですけれど…」と言って会場の笑いを誘いながら、受賞の喜びを語ってくれた。
「このような賞をいただけてたいへん光栄です。たくさんの方に手にとっていただきたい、ザックジャパンのことを知ってほしい、という思いでこの本を出版しました。今たくさんの方に本書を読んでいただけていること、そして今回サッカー本大賞の読者賞をいただけたことを本当に嬉しく思っています」
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