頭打ちとなった成長。求められる育成改革
1998年から2010年まで4度のワールドカップを経験し、日本代表が気骨な敗北者として語られる時代は終わった。
南アフリカで岡田武史が率いた日本代表の成功以降、欧州強豪リーグで自身の能力を高める日本人選手の数は増加。このチームは少なくとも本大会の決勝トーナメントへ勝ち進むことが期待されており、アジアカップではベスト4入りが最低限と考えられるまでになった。
才能豊かな外国人指揮官を起用することでチームのレベルを引き上げることは、もはや以前のように簡単なことではなく、向上する余地が多分にあったフィリップ・トルシエ政権下の2002年とは勝手が違う。
技術と運動能力が磨かれた経験豊富なプロ選手は増えたものの、最近の日本に必要な部分を強化することは信じられないほど難しい。少なくとも岡田武史のW杯での功績とアルベルト・ザッケローニの失敗はそれを裏付け、明らかに難問をかかえたハビエル・アギーレのもと、日本代表は過去19年間で初となるアジアカップ準々決勝敗退に終わった。
日本に今必要なことは、様々なタイプの選手を生み出すことであり、育成の早い段階で選手に合った指導を行うことだ。
ドイツのクラブのようにチームの中に多くの才能豊かなチャンスメーカーを育てることは良いことだが、適格なセンターバックやブルドッグタイプのMFや野生的なストライカーが彼らのベルトコンベアーに落ちてきていない。
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