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類を見ないポルトガル人監督によるCL。勝ち残った“マディラの真珠”は富豪の舌を唸らせるか

text by 齋藤祐太 photo by Getty Images

ポルトガル時代の2つの因縁

 ヨーロッパの舞台では常連となったビラス・ボアスと、ポルトガル時代の宿敵であるジェズスの再戦は、ビラス・ボアスが母国で4冠の偉業を成し遂げた伝説のシーズンを想起させた。両者は幾度となく舌戦を繰り広げたが、最終的には、監督として一日の長があるジェズスが、あらゆるコンペティションにおいて苦杯を舐める結果となった。

 ちなみに、誤解のないように記しておくが、クラブのライバル関係が解消した今、2人は公然の親友関係である。トッテナムを解任されたビラス・ボアスがゼニトの監督に就任するという噂が流れていた際、正式な記者会見の場でその真偽を暴露したのが、他でもない、直接の電話で話を聞いたというジェズスであった。

 話を戻そう。彼らの因縁が、舞台を替えて再び繰り広げられるというだけで、ポルトガルサッカーファンは胸を躍らせたことだろう。

 しかし、両者を差し置いてグループを首位で通過したのは、3者の中で唯一ポルトガルリーグでの優勝経験がない、モナコのジャルディンであった。

 2013-14シーズンのポルトガルリーグは、ジェズス率いるベンフィカの国内3冠達成とともに幕を閉じた。前半戦を首位で通過したジャルディン率いるスポルティングは、後半戦に失速。リーグ、カップ戦ともに、ジェズスのベンフィカを前に敗れ去る形となった。

 今回のCLでは、ポルトガル時代の敗者ジャルディンが、クラブを替えてジェズスへのリベンジに成功したという訳である。

 一見冴えない印象さえ抱かせるが、欧州屈指の実力派。このレオナルド・ジャルディンという男は一体何者なのか。

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