2つのグループに5人のポルトガル人監督
「ポルトガル人監督によるバトルロワイアル」
2014-15シーズンのCLグループステージを一言で表すとしたら、筆者にとって最も適切な言葉だ。昨シーズンの9名に比べ見劣りはするものの、今シーズンも6名ものポルトガル人監督がCLの舞台で躍動した。
グループGは、新旧ポルトガル人監督による覇権を巡る一騎打ちであった。
ポルトガル人監督というブランドを確立した、同国監督のパイオニア的存在であるチェルシーのジョゼ・モウリーニョ。世界一の名将の地位を獲得したこのレジェンドに挑んだのが、母国で「ネクスト・モウリーニョ」と期待される、スポルティングの若き指揮官マルコ・シウバであった。
グループCは、4チームのうち3チームの指揮官がポルトガル人という珍しい組み合わせとなった。ゼニトを率いるアンドレ・ビラス・ボアス、ベンフィカのジョルジ・ジェズス、そして今シーズンよりモナコの新監督に就任したレオナルド・ジャルディンの3名が、2枠の決勝トーナメント進出権を巡って争った。
なんと2つのグループで5人のポルトガル人監督が激突したのである。その上、1つのグループには3人ものポルトガル人監督が同居した。偶然にも、その3者それぞれが、ポルト、ベンフィカ、スポルティングという国内屈指のライバルチームの指導歴を持つのは、神様の悪戯とでも言えようか。類を見ない稀な組み合わせに、ポルトガル国民は胸を躍らせた。
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