7日に行われたプレミアリーグ第24節では、エバートンとリバプールが伝統の一戦、マージ―サイド・ダービーに臨んだ。その試合前、イギリスのテレビ局『BBC』が過去のダービーについて街頭インタビューを実施した。
リポーターのスチュアート・フリンダー氏がある老人に話しかけ、「私はあなたが1967年のFA杯5回戦、グディソン・パークで行われ、アンフィールドでも大きなスクリーンで見ることのできたあのダービーを覚えているのではないかと思うのですが。あの試合を覚えていますか?」と尋ねた。
するとその老人は「もちろん、覚えているよ。私はその試合に出場していたからね。私はリバプールでGKをしていたんだよ」と返す。
さすがのフリンダー氏も「本当に?」と驚きを隠せず「お名前は?」と聞き返してしまった。
その老人の名はトミー・ローレンス。1940年生まれの74歳で、1957年から1971年までリバプールに在籍し、300試合以上に出場した経験のあるレジェンドだった。
ローレンス氏は1967年のダービーについて「あれは素晴らしい試合だった。(エバートンの)アラン・ボールが決勝ゴールを決めたんだよ」と当時を振り返り、驚異的な記憶力も披露している。
そのアラン・ボール氏は1967年当時エバートンに在籍していた元イングランド代表MF。クラブではコリン・ハーベイ、ハワード・ケンドールとともに“ホーリー・トリニティ”を形成し、代表でも70試合以上に出場した名選手だった。監督としてもポーツマスやサウサンプトン、マンチェスター・シティといったチームを率いたが、2007年に61歳で他界している。
ローレンス氏と対戦した年のエバートンはFA杯決勝まで進出したものの、決勝でウェストブロムウィッチに敗れて優勝を逃した。
フリンダー氏は「思いがけない幸運」とインタビュー内で漏らしているが、街頭インタビューで、まさに「幸運」としか言いようがない素敵な出会いとなった。
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