幼少期から気性の激しさを露呈
渦中にあった1月18日、日曜夜のサッカー番組『カナル・フットボールクラブ』に弁護士とともに生出演したベン・アルファは、自らその危惧を口にしていた。
「ルール上、自分はまったく違反はしていない。けれどFFFやLFPの“ロビー”は強力だ。だから悲観している…」
実権を握る“お偉いさん方”の間で自分の覚えが良くないことは、承知しているのだ。
その発言に応酬するかのように、ベン・アルファ自身は欠席した2日後の話し合いの席で法定委員会のスーリエ委員長は「実際、今日は彼(ベン・アルファ)には会いたくなかった。ここにはテレビカメラはないからな」と、さもカメラが回っていないところではベン・アルファの態度が悪いとでも言わんばかりの嫌味をかましたあと、「彼は口を慎むべきだ」と、LFPに対する批難めいた発言を牽制している。
ベン・アルファは、かつてその名を轟かせた国立養成所クレールフォンテーヌの出身で、通常は13歳から入学できるところを、12歳と一年早く許可されたことで当時から話題だった。
まだあどけなさの残るローティーン時代の彼の養成所での様子を追ったカナル・プリュスのルポルタージュは、大きな反響を呼び、フランス国内でも「神童誕生!」と騒がれた。
しかしその映像の中でも、一年上で同期のアブー・ディアビーを泣かすなど、気性の激しさを露呈していた。
15歳の卒業を前にリヨンが契約をとりつけ、彼のプロキャリアもそこからスタートした。同時期、リヨンの育成所には同じ87年生まれのベンゼマもいたが、ともに天才と謳われた両者の仲はそれほど良くはなかった様子で、2人の口論はそれだけでニュースになった。
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