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日本代表 10年前

【識者の眼】代表監督に推したい気鋭の名将ハリルホジッチ。多彩な戦術を持つ情熱家。W杯の実績も十分

text by 河治良幸 photo by Getty Images

アルジェリアを率いてブラジルの地で躍動

 ボスニア・ヘルツェゴビナ出身で、現役時代は旧ユーゴスラビア代表でも活躍したハリルホジッチ。指導者としてはフランスのレンヌやパリ・サンジェリマンで実績をあげ、2008年から率いたコートジボワール代表では史上稀に見る攻撃的なチームを作り上げ、圧倒的な強さでアフリカ予選を勝ち上がった。

 アフリカ開催ということもあり、2010年W杯の優勝候補にあげる声も強まっていた矢先、大本命とされたアフリカネーションズカップでまさかの準々決勝敗退を喫し、責任をとる形で解任された。

 スベン・ゴラン・エリクソンに率いられた”エレファンツ“のW杯でのパフォーマンスは多くのサッカーファンが知るところだ。

 その後、クロアチアのディナモ・ザグレブで辣腕をふるったハリルホジッチは2011年からアルジェリア代表で指揮をとることに。

 北アフリカのチームらしく、奇麗にパスをつなぐスタイルだったチームにタイトな守備と鋭い速攻を植え付け、アルジェリアにルーツを持つ欧州在住の選手を積極的に組み込んで、アフリカ予選を見事に突破した。

 本大会ではベルギー、ロシア、韓国と同組になり、大手ブックメーカーで最低人気だった。[4-3-3]でベルギーに挑んだ初戦はフェグーリのPKで先制し、欧州の強豪を終盤まで追い詰めたが、フェライニの豪快なゴールで同点に追い付かれると、さらに逆転ゴールを許して敗れた。

 しかし、続く韓国戦は[5-4-1]の布陣でタイトな守備から鮮やかなサイド攻撃を繰り出し、前半のうちに3得点を奪う。韓国のなりふり構わない反撃にやや苦しんだものの、4-2で勝利を飾った。

 さらに[4-2-3-1]を用いたロシアとの3試合目は出会い頭に先制点を取られたが、欧州屈指の堅守を誇るロシアを攻め続け、FKから同点に追い付いて2位でグループリーグを突破した。

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