「本田は悪かったな。どうしちまったんだ」
「正直いい策だとは思えなかった」。トリノを本拠とするラ・スタンパ紙のジャンルカ・オッデニーノ記者は、本田をトップ下に置いたことにも批判的だった。
「あの位置で彼は自分のポジションをきちんとつかめていないようだったし、ボールもあまり触れず、無駄に走り回っている印象もあった。イタリアに来てからこの日が最悪のパフォーマンスだったのかそこまでは知らないが、それに近いものはあったんじゃないかな」
ただ一方オッデニーノ記者は本田について、「向上はするだろう」とも付け加えていた。
「ミランは本格派のCFであるデストロを手に入れたし、彼とのコンビネーションを成熟させることで動きは良くなっていくのかもしれない。もっともチェルチが入った関係で彼はポジションを動かされ、そのことが両者にとっても良くない結果につながっているような印象を受ける。まあ繰り返すが、自分には良い戦術策だとは思えなかった」
コリエレ・デッロ・スポルトのミラン番であるフリオ・フェデーレ記者は「本田は悪かったな。どうしちまったんだ」と渋い顔で語っていた。守備では勤勉に走り、中盤が崩壊する中、丁寧にパスをつないでいたようにも見えたのだが、ゴールに直結するような仕事をしなければ評価はされないということだろう。
なお試合後、本田はどの選手よりも先にアウェイサポーター席に向かい、ユベントスに力負けするチームにも一生懸命声援を送ったミラニスタたちに挨拶をし、深々と頭を下げていた。
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