日本を熟知し、国際経験も豊富
2つ目はストイコビッチ氏が日本の社会や日本のサッカーを熟知しているということだ。というのも彼はJリーガーとして8シーズン、Jリーグクラブの監督として6シーズンを戦った経験がある。
日本サッカーにおいて選手としても監督としてもタイトルを勝ち取れる力を見せており、彼は多くの選手やサポーターから非常に尊敬されている。日本の環境に慣れるための時間も必要としないだろう。
さらに3つ目の強みは、豊富な国際経験だ。彼は監督として代表チームを率いたことがなく、国際大会といえばACLに出場した経験しかないが、選手としてはユーゴスラビア、フランス、イタリア、そして日本と4ヶ国でプレーしていた。
特に彼の母国であるユーゴスラビアやヨーロッパのクラブでプレーしていた頃は、いくつもの大きな国際大会に出場していた。もちろんW杯に出場した経験もあるし、チャンピオンズリーグに出場したこともある。
1984年のロサンゼルスオリンピックにユーゴスラビア代表として参加した(当時はA代表がオリンピックに出場していた)ストイコビッチ氏は銅メダルを獲得。また、かつて日本代表も率いたイビチャ・オシム監督の下、1990年のイタリアW杯に出場して大会ベストイレブンに選出された。
クラブレベルでもマルセイユでプレーしていた1992-93シーズンにCL制覇を成し遂げるなど、リーグ戦、カップ戦問わず数多くのタイトルを獲得している。
そういった数々の経験に基づいた国際サッカーに関する彼の知識は相当深いもので、2011年のFIFAクラブW杯の際はFIFAのアナリストとしての仕事をしていた。それに象徴されるように、英語が堪能で世界中から尊敬される存在でもあるのだ。もちろん日本語も理解することができ、コミュニケーションの面ではこれまでの外国人監督とは違って大きなアドバンテージがある。