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サッカー選手の給料、55年で約4600倍に。国民平均とは274倍の開き

リバプールが1960年に当時の選手に支払った給与の詳細が明らかとなった。4日の英紙『メール』が報じた。

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Getty Images

リバプール選手の最高週給額は約11万円!? 55年前の給与が明らかに
当時のイングランド代表FWロジャー・ハントの週給は約8万円【写真:Getty Images】

 リバプールが1960年に当時の選手に支払った給与の詳細が明らかとなった。4日の英紙『メール』が報じた。

 これはリバプールの1960年8月17日の給与記録から明らかとなったもので、当時の最高給与はDFジョン・モリニューが受け取っていた週給30ポンド(現在の600ポンド=約11万円に相当)となっており、66年にワールドカップを制した当時のイングランド代表FWロジャー・ハントの週給は22ポンド(現450ポンド=約8万円)だった。

 一方、週給16ポンド(現320ポンド=約6万円)だった元スコットランド代表MFビリー・リッデルは家賃として毎週2ポンド(現40ポンド=約7000円)をクラブに支払っていたことも記録されている。

 当時のリバプールは2部リーグでプレーしていたが、この支払記録の3日後にホームで行われたリーズ戦では43041人の集客数を記録しており、当時から根強い人気を誇っていたことがうかがえる。国民の平均週給が10ポンド(現200ポンド=約4万円)だったことからも、当時のサッカー選手は人並み以上の生活を送っていたとみられる。

 だが、現在の国民平均年収が26500ポンド(約472万円)、週給にして510ポンド(約9万円)であるのに対し、今のリバプールで高給取りに部類される主将の元イングランド代表MFスティーブン・ジェラードが週給14万ポンド(約2500万円)を稼ぐことからも、国民平均に対する高給取りの給与額は当時の3倍から274倍に跳ね上がっている。現在のリバプールがチーム関係者に支払う年間合計給与額が1億3200万ポンド(約235億円)にも上ることからも、圧倒的な差が見て取れる。

 現代サッカー界では価格が高騰し、それがサッカーの本質を低下させているとの批判も上がっているが、この給与記録からは55年の年月を経て遂げてきたイングランド・サッカー界の発展と変遷が認識できる。

【了】

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