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英雄は伝説を締め括れるか。ジェラードがラストダービーで願う“最後の宿敵叩き”

text by 山中忍 photo by Getty Images

自身の後継者となり得るバークリーとの対戦へ

英雄は伝説を締め括れるか。ジェラードがラストダービーで願う“最後の宿敵叩き”
「ジェラード2世」の呼び声高いエバートンのロス・バークリー【写真:Getty Images】

 但しエバートンも、ロベルト・マルティネス監督が信条とする攻撃に主眼を置いてくる。敵の攻撃に注意はしても、守備的な戦い方はあり得ない。注目は、4-2-3-1の2列目で先発するはずのロス・バークリー。力と技と汗の3拍子揃った攻撃的MFは「ジェラード2世」の呼び声も高く、「元祖」の米国行きが公表されてからは、後釜としてのリバプール移籍さえ噂されている。前節ではベンチに温存されたバークリーは、コンディションも万全だ。

 ジェラードは、バークリーがイングランド代表デビューを果たした2年前の夏に、「ビッグクラブの誘いにそそのかされちゃ駄目だ。地元のクラブでプレーできるなんて最高じゃないか」と言って、後輩にエバートンで試合経験を重ねることが先決だとアドバイスしている。しかし、自身の長期的な後継者としてリバプールが獲得に動くとなれば、その時には違ったアドバイスもあり得るだろう。

 もっとも、現在のジェラードの頭には、そのバークリーのいるエバートンを叩くことしかないはずだ。地元の宿敵からの勝利は、トップ4が現実目標のチームに更なる勢いを与える。そして、「いつも真っ先に日程を確認する」と言っていたマージーサイドダービーを、堂々の自身18勝目となる白星で戦い終えることができるのだから。

 前節では欠場して大事を取ったハムストリングの張りも、その4日後のFAカップ戦を見る限り問題なし。リバプールでの通算700試合目となったボルトンとの再試合(2-1)でフルタイムをこなしている。リバプールの現役レジェンドが今一度、宿敵の待つグディソンパークに乗り込む。

【了】

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