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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第13回 ―いつでもどこでも誰とでも

若手の反骨心を歓迎する楠瀬元監督

 周りが楽しげに過ごすクリスマスや年末年始も外を出歩くのはほどほどにし、売り込み用DVDの製作にかかりっきりだったそうだ。

「この忙しい感じは嫌いじゃない。むしろ楽しんでいる。アゲアゲですよ!」

 僕には、そのテンションの高さがかえって心配である。現在、大学関係者のツテをたどってJクラブの強化担当と連絡を取ったうえ、DVDを送付したり、あるクラブのキャンプに参加する予定だという。2月中には何らかの結論が出る見込みで、他の選手と合わせて続報をお伝えしたい。

 92年組の動向はさておき、かつて彼らに接した指導者たちは、自らの手を離れたあとの4年間をどのように見ていたのか。指導理論の形成にいかなる影響を与えたのか。そのあたりの事柄に興味があった。

「あの代の第一印象は、ひと皮めくった感じが面白かったことですね。ユウキ、ヨシアキ、コリンあたりはわかり易いんですよ。自分が一番だと思っていて、周りにも堂々と態度で示している。2番手グループの選手は従うだけなのかなと思ったらそうではなかった。ぺろっと一枚剥がしてみたら、なめんじゃねえぞという反骨心でギラギラしていた。おれのことを認めさせてやる、いまに見てろよという野心がね。これなら楽しくなりそうだなとほくそ笑んだのを憶えています。両者は激しく衝突しながら、最終的には認め合う間柄になった。だから、いいチームになり、結果も出せた。それは僕や彼らだけの手柄ではなく、下の年代からやるべきことをやっていたということの証明です」

 そう振り返るのは、ユースの監督を務めた楠瀬直木(FC町田ゼルビア・アカデミーダイレクター)。楠瀬の指導法は選手の自主性を重んじるリベラル流だ。「未熟な僕らを信用し、ピッチ内のことは任せてくれた」と渋谷亮(東京ヴェルディ)は語っている。

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