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完全無欠ではなかったバイエルン。“ペップを破った”ヴォルフスブルクの3つの戦略

text by 本田千尋 photo by Getty Images

抑え込まれたベルナト。攻撃の根幹が機能せず

 ここではヴォルフスブルクがバイエルンを相手に取った戦略を、主に3つに絞って見てみたい。

 1つ目は、レバンドフスキへの縦パスを徹底的に潰したことだ。この役目は主にCBのナウドが担った。

 24分、アーノルドのデ・ブルイネへのラストパスをカットしたボアテングが、ダイレクトでレバンドフスキに入れたところを、ナウドが相手陣内で直ぐさま潰す。25分には、ダンテのレバンドフスキへの縦パスを、再びナウドが背後からカットして、ヴォルフスブルクはカウンターを仕掛けた。

 このようにレバンドフスキへの縦パスを狙われ続けたことで、バイエルンは攻撃のリズムを掴み損ねていた。レバンドフスキは71分にピサロと途中交代となる。

 2つ目は、ベルナトへのボールを狙ったことである。19分、左インサイドのアラバから、左サイドのベルナトへのパスを、カリギウリが頭でカット。そのボールを再びアラバがベルナトへ送ったところを、今度はドストがカットしてヴォルフスブルクはマイボールにする。

 37分、同様にアラバからベルナトに入るや否や、カリギウリがしつこく追い回す。バイエルンが作り直して、再度シュバインシュタイガーが左サイドのベルナトにパスしたところを、すかさずビリージャがカットする。

 引いた相手を崩すために、遅攻だけでは物足りなさを感じたのか、今季バイエルンは縦への早さも取り入れているが、その象徴とも言える存在がベルナトである。

 ベルナトのスピードに乗ったドリブルは、バイエルンの攻撃の根幹の1つでもあり、ここを抑えられたことでもバイエルンはリズムに乗り切れなかった。

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