「この国のサッカーは発展する。上に向かっていくのみだ」
オーストラリアのアジア杯制覇は歴史に残り、それはサッカルーズ(豪州代表の愛称)にとって初のメジャータイトルとなった。延長の末2-1と勝利した韓国との決勝戦は、サッカーが国内でより広く認知される絶好の機会となり、試合後のFWティム・ケーヒルは誇りに満ち溢れていた。
「オーストラリアの人々は(パレードの先頭の)楽隊車の上で跳ねるように騒ぐだろう」と以前エバートンに所属していた同選手は試合後の心境を語る。
「我々はサッカーを愛する者と愛さない者の両方を知っている。しかし、今夜の結果はオーストラリアスポーツ界に起きた大きな出来事の一つであることは間違いない。難しいアジアでの大会で優勝することができたのだから」
ケーヒルが一体誰に向かって毒づいているかは明らかではないが、野球がスポーツ最高位を支配する日本と同じように、オーストラリアでもサッカーがナンバー1のスポーツとういわけではない。
豪州式フットボールやラグビーはいまだに多くのファンやメディアの注目を集め、クリケットや全豪オープンに代表されるテニスもサッカーより人気は上だ。
DFジェイソン・デイビッドソンも大会制覇の重要性を主張する。この国のスポーツ界の序列のなかで、サッカーに対する人々の意識を確立する次の段階に入ったことを感じているようだ。
「W杯に出場し続けることは代表チームの成長を助ける一方、我々は今回のアジア杯で、世界的スポーツで母国開催優勝の喜びを味わうことや、緑と金の髪飾りを付けた衣装、オーストラリアの国旗やスカーフ、膨張性のカンガルーなどを使ってサッカーを楽しむことを、この国の人々に伝えることができたと思う」とウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンのSBは語る。
「この結果はオーストラリアサッカーの成長を助けてくれるに違いない。どれほど多くの熱狂的なサッカルーズサポーターがいるか見ただろう。間違いなくこの国のサッカーは発展する。上に向かっていくのみだ」