救世主として期待がかかる本田
さらにパルマ戦を前に、モントリーボとアバーテがそれぞれ故障をした。中に絞って組み立てを助け、さらに右サイドから仕掛けなければならないとなると、本田の仕事は非常に多くなりそうだ。
もちろん大事なのは、そういう動きをこなしながらも点に絡めるかどうかだろう。アジアカップ離脱前、「点を取らないとこのチームでは10番として生き残っていけない」と語っていた。
思うようにパスが来ずシュートチャンス自体は少ないが、「チャンスは(試合中)1、2本はある。相手には警戒されフリーにはならないが、それをどう外すかだ」と課題の克服を描いていた。
ラツィオ戦の終盤でも、エリア手前でフリーになった一瞬を突いて素早くミドルを放ったシーンがあった。シュートはそれたが、そういうチャンスを活かすことの出来るプレイ精度を期待したい。
なお対戦相手のパルマは、現在経営上の問題で大荒れ。ギラルディ会長は昨シーズンから資金繰りに苦しみ、スタジアム改修の金が捻出できずにEL出場を断念したり、選手の給与を7ヶ月払っていなかったりした。
「新しいオーナーが来る」「給料は明日払う」という口約束が次々と反故にされ、堪忍袋の緒が切れたカッサーノはクラブとの契約を解除している。
ただ28日のコッパ・イタリア準々決勝ユベントス戦では、そんな状況下にも関わらずユーベを苦しめ、モラタにゴールを許すまで終盤まで粘り抜いた。彼らがそのテンションを維持すれば、崩せず点が取れずシュートすら打てない今のミランは相当苦労するはずである。
1月は1分3敗と、チームは壁にぶち当たっている。その流れを戦術的インテリジェンスとゴールへの仕事で変えることができるか。ローマから移籍して先発が濃厚のデストロとともに、チームに復帰した本田に救世主としての期待がかかる。
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