“ライバル”チェルチはチームに適応できず
1日夜(日本時間2日午前4時45分)、ミランはホームでパルマと対戦する。アジアカップを終えてオーストラリアから戻ってきた本田圭佑は、先発出場が濃厚視されている。
出場は、定位置となっていた右サイドとなる模様だ。本田がいない間、アトレティコ・マドリーから右ウイングを本職とするチェルチが加入してきたが、結局本田は動かされないことになった。
「本田はこれまで通りの位置で出続けるし、チェルチは左に行ってもらう」。前日会見で、インザーギ監督はそう語った。
実はここまでの間、チェルチのパフォーマンスがさほど良くはなかった。A.マドリーでほとんど出てなかったのがさすがにたたったのか、持ち前の高速ドリブルは影を潜めている。何より加入早々では仕方がない部分もあるが、右サイドの連係が良くなかった。
サイドに貼って仕掛けようとするため、アバーテがオーバーラップするスペースまで消してしまう。先発したアタランタ戦ではそのことを巡ってアバーテが注文をつけたところ、チェルチは嘲笑で返し激しい口論になったことがニュースになっていた(その影響かどうかは明らかにされていないが、チェルチは同試合でハーフタイムに交代させられている)。
右なら本田の方がチームバランスの上では良い、とインザーギは判断しているのだろう。事実27日のコッパ・イタリア準々決勝ラツィオ戦では、途中出場した本田が4-4-2の右MFに入れられ、それまで右サイドでプレイしていたチェルチが左サイドに回った。
これは良い流れを生んだ。本田は外から中へと絞る動きをするため、前のスペースが空いたアバーテは果敢にオーバーラップ。チェルチもまた、オフサイドにはなったが左サイドから決定的なシュートを放っている。
つまり今回の本田には、攻撃陣のバランスを整える役割がより求められることになる。ポジショニングもしかり、ボナベントゥーラが故障中なため守備の負担も増えるだろう。