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香川真司 10年前

ダイナミズムを奪った2つのロングボール。ドルトムントには「ポジティブな凡戦」か

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ポジティブなドローか。次戦の勝利が鍵

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香川によれば、チームは引き分けという結果を「ポジティブに捉えていた」という【写真:Getty Images】

 不発の攻撃の一方で、前期に比べてドルトムントの守備は安定していた。同様にレバークーゼンにもロングボールは目立ったが、それはドルトムントとは違い戦略的なものである。ときに乱雑になってまでもキースリンクを目がけて放り込み、例え収まらなくとも、素早くプレスでボールを奪い返す。

 しかしこの場合のキースリンクは、ドルトムントからすればターゲットとして分かりやすいものでもあった。キースリンクへのボールを、フンメルスは何度も弾き返した。そしてまた相手にプレスからボールを奪われないように、前に蹴る。ディフェンスに集中は戻って来ているようだった。

 38分、右サイドを抜け出したベララビの折り返しを、カストロがシュート。ボールはバイデンフェラーの右手を掠めた。しかしフンメルスが頭でクリアする。最後の最後でゴールを割らせない。

 相手の戦術を回避するためのロングボールと、自分達の戦術を遂行するためのロングボール。2つのロングボールは、結果的にゲームからダイナミズムを奪った。試合は後半に入っても大勢は変わらなかった。0-0のドローで終わる。

 結局レバークーゼン戦で出番は無かったが、香川によれば、チームは引き分けという結果を「ポジティブに捉えていた」という。

 勝ち点1を獲得し、無失点だった。前期は無失点で終えた試合が2試合のみだったこと、今回3位のチームに得点を許していないことを考えれば、対レバークーゼン戦はポジティブな凡戦だったと言えるのかもしれない。

 それでもドルトムントは再び18位と最下位に落ちた。香川が「次はホームなので勝たなくてはいけない」と言うように、次節2月4日のアウクスブルク戦に勝利してこそ、スコアは0-0に終わったレバークーゼン戦をポジティブなものとすることが出来るだろう。

【了】

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