本田に求められる新たな役割
また、ボッケッティの加入は純粋な守備面の強化とみることができる。ジェノアで名を上げた同選手はセンターバックと左サイドバックでのプレーが可能だ。度重なる負傷で不調に喘ぐDFマッティア・デ・シリオと、元ウイングバックで守備に難があるDFパブロ・アルメロが担う左サイドに安定感をもたらすことが期待される。
一方で、デストロの加入はミランの戦術に大きな影響を与えることになるだろう。同選手の加入でミランは4-3-3から4-4-2へと舵を切ることになる。
今季のミランは一貫してジェレミー・メネズを“フォルソ・ノーヴェ”(偽の9番)とするゼロトップを採用してきた。シルビオ・ベルルスコーニ会長が再三に渡って起用を希望したFWフェルナンド・トーレスが放出されたことも、メネズとの相性が悪かったことに起因する。
しかしながら、コッパ・イタリアのラツィオ戦でミランは前半途中からFWジェレミー・メネズをトップ下に置く4-2-3-1を採用した。試合後のインタビューでインザーギ監督は4-4-2への変更を目指していることを明かしている。この試合ではFWジャンパオロ・パッツィーニがセンターフォワードを担ったが、今後はデストロがレギュラーとなる予定だ。
この戦術変更によって、本田はより守備面での貢献を求められることになるだろう。センターハーフを3枚から2枚に削ることで、当然ながらサイドハーフの守備がより重要になってくる。また、フィニッシュの局面をデストロが担うことで、前半戦のようにゴールを決めるチャンスは減ることが予想される。
それでも、その献身性とプロフェッショナリズムがインザーギ監督に高く評価されている本田が今後もチームにとって貴重な存在であり続けることは間違いない。ラツィオ戦でチェルチと共存しながらも、一貫して本田を右サイドハーフに起用したことが物語っている。
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