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代表 10年前

「全ては我々次第」。母国でのア杯初Vへ士気高まる豪州。55年ぶり王座狙う韓国と頂上決戦に臨む

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

祖母は日系人。代表初得点を決めたデイビッドソン

 ケーヒルと彼のチームメートは、GL最終戦で韓国に敗れ、グループAの首位の座は確保できなかったが、決勝の舞台では前回対戦時とは異なる信念があるようだ。

「我々はあの時ミスを犯した」と敗戦を語るMFマッシモ・ルオンゴは「多くは変える必要はない。試合自体は支配していたし、我々のプレーは毎試合相手を苦しめている」と内容への手応えを口にしていた。

 MFマーク・ミリガンも同僚の意見に続く。

「我々が実践したいプレースタイルは変わっていない」と前置きし、ジェフ千葉に所属経験がある29歳はUAEとの試合後に「韓国代表は前回よりも間違いなく向上していると思うが、以前とは異なるチャレンジになる。彼らの素晴らしい守備を破るため、我々はベストなプレーを見せなければならない」と話す。

 UAE戦で試合を決めた2点目のゴールが代表初得点となったDFジェイソン・デイビッドソンは責任感が強い選手のひとりである。

「オーストラリアフットボールは全ての世代や段階で国内レベルを成長させたいというひとつの方角に向かっている」とウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)所属の23歳は語り始め、「我々は自分たちの力でそれを前進させられる状況にいる」と充実感を漂わせた。

「私は14歳で母国を離れ、プロのフットボール選手になった。今ここでしなければならないことは理解している」

 デイビッドソンの祖母は日系人で、彼は学生時代を日本で過ごした。だがオーストラリアに愛着をもつ同選手は帰化の提案を退け、2011年のアジア杯決勝で“サムライブルー”との対戦を選んだ。

「日本はとても尊敬できる国だ。規律を守るこの国では好意的な思い出がたくさんある。だが私の仕事は(オーストラリア代表として)アジア杯で優勝すること。誰が相手でもタフになるだろうが、この状況を幸せなことと考えている」

 彼らの使命を完遂させられるかどうかは、31日のスタジアム・オーストラリアでの韓国戦で決まる。

【了】

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