DFラインの真価が問われる韓国戦
サッカルーズにとっては、確かに、早い時間帯で相手のミスに助けられて2得点を上げられたのは大きい。
開始早々の前半3分の得点は、コーナーキックからのボールに相手DFが絶対的エースのティム・ケーヒルを意識し過ぎた余り、その他の選手のカバーが甘くなっていたところを、DFトレント・セインスベリーが突いての得点。
ヘディングを上手く合わせたセインスベリーを褒めると同時に、UAEのDFが余りにもルースだったことも無視できない。
前半14分にゴール前の混戦からDFジェイソン・デービッドソンが蹴り込んだ2点目だが、これもペナルティエリア内のこぼれ球を早めにクリアできなかったUAEのDF陣のもたつきがもたらした得点だったと書けば、少々辛口に過ぎるだろうか。
ポスタコグルー監督は、試合後の会見で「我々は、良い試合の入り方ができた。試合を通じて、相手に危険を感じさせる展開を見せられた。特に、ディフェンスが頑張った。ディフェンス陣は、ラインをしっかりと維持して勇敢に守り抜いた」とチームのこの試合のプレーを振り返った。
確かに、決勝トーナメントに入って2試合連続のクリーンシート、5試合で2失点というディフェンスの頑張りは評価に値する。しかし、今日の疲れ切ったUAE攻撃陣に怖さは無かった。
天才司令塔と注目されたオマール・アブドゥラフマンも試合から消えている時間の方が長かった。安定感を取り戻しつつあるように思えるDFラインの真価は、負けられない韓国との決勝戦でこそ問われることになる。
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