FC東京といっしょに世界に出たい
この映画に込めたものとはなんなのか。
「やっぱりFC東京が大好きだから。いまさら言う話ではないけれど、好きすぎるから、東京をいろいろなひとに知ってほしかった、というのがすごくでかくて。もうひとつは、ずっと、FC東京といっしょに世界に出たいと思っていた」
それこそ東京ガス時代から誰よりもそう思ってきたと、植田は自負している。しかしなかなかクラブは世界に行けない。
ならば、自分たちが行けばいい。
サッカーの映画祭は海外にもたくさんあると知っていた。おもしろいものをつくったらFC東京といっしょに海外に出ていけるのではないか。それがきっかけになってFC東京を知ってくれたら――。
「『メジャーリーグ2』に石橋貴明が出てきたらインディアンス気になるじゃん? そういうふうにFC東京がなれたら最高だな、と」
即興でインテル長友を出演させてしまったこともそうだが、もともと植田のフットワークは軽い。
劇団コラソンの成り立ちもほとんど悪ノリ。オーディションで落ちるんだ、と悩む俳優に「オーディションを受けるから落ちるんだ」「自分でオーディションをやればいい」。
そんな調子で、この映画は自由だ。
サッカー映画なのに、ボールはパチンコしか出てこない。
「おれはサッカーをカルチャーだと思っているから。そのスタジアムでサッカーボールを追いかけているのは22人しかいないでしょ? 残る数万人はボールを持たずに試合を観ているんだよ」
サッカーボールがまったく出てこないサッカー映画。さらに言えば、サッカー映画ですらないのかもしれない。サッカーファンが登場するラブコメディ。サッカーを知らなくてもおもしろい。知っていてもおもしろい。
緑色のものとよみうりの名がつく場所をよしとせず、FCと呼ばれることを嫌う、あるクラブのファンの姿が描かれる。頑なな信条を持つフットボールファンと、他者とのすれちがい。はたして応援するチームの行方は? そして彼の恋は成就するのか!?
初演では30分の舞台だったものが、インタヴュー時点では110分の映像になっていた。映画祭当日、どのような完成品を拝むことができるのか。いまから待ち遠しい。
【了】
■「ユルネバ~キミは一人じゃない~」上映スケジュール
2/8(日) 17:10~
2/11(祝・水) 11:45~
チケットはこちらから
【東京国際フットボール映画祭 公式ホームページ】
http://football-film.jp/
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