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日本代表 10年前

アジア杯敗退から学んだ5つの問題点。変化のない主力、解決されない積年の課題

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

5.どの選手がアギーレジャパンの助けとなっただろうか?

アジア杯敗退から学んだ5つの問題点。変化のない主力、解決されない積年の課題
日本は、オーストラリアで見られた最高のチームだった【写真:Getty Images】

 日本は、オーストラリアで見られた最高のチームだった。しかし、前述した理由と不運(PK戦を含む)によって、それを証明する機会を排除された。香川のPKは、ネットを揺らすまでわずか1cmだった。

 メキシコ人指揮官をチームから離れさせる理由は1つもない。ブラジルでの2014年W杯後の失望の後、彼は賢い戦略こそが日本に必要なタイトルをもたらす一番の近道と考えた。

 しかし、UAE戦では、多くの選手が明らかな疲労を抱えていた。おそらく、同じイレブンですべての試合を開始していることに理由はある。すべての選手が12月まで日本やヨーロッパでリーグを戦い、夏にはW杯に出場したにも関わらずだ(特に、後者は1年で4大陸を渡り歩いている)。

 岡崎は完全にフィットしきれていなかったし、遠藤の苦労は明らかだった(彼は34歳で2014年に50以上の試合に出場しているのだから当然だろう)。

 そして、長友が準々決勝の延長戦に負傷したことで、チームは事実上10人で戦うことを余儀なくされた。

 簡単なグループステージを通じては、保守的なアプローチではなく、多くのバリエーションが必要だったのではないだろうか。それは、この重要な試合に調子を合わせることに役立っただろうし、多くの選手にチャンスを与える結果となっただろう。

 また、私が過去に指摘していたことは、この代表チームには「ピットブル」(必要に応じて緊張感やエネルギーを与えられる選手)が不足しているということだ。つまり、戸田和幸や田中マルクス闘莉王のような選手だ。

 私は、2014年のJリーグでそうした2人の「汚い」(賛辞としての意味)ストライカーのうち、少なくとも1人は呼ぶべきだったと考えている(大久保嘉人、または宇佐美貴史)。

 最後に、私は西川周作に少しのチャンスも与えられなかったことが不可解でならない。正直なところ、近年の川島は全く印象に残らない選手だ。ザッケローニ監督の下では、彼の1対1のスキルは理論的な選択だった。彼らは、より攻撃的なシナリオを描いていたチームだった。

 もちろん、我々は日本が李忠成による芸術的なボレーによって2011年の決勝でオーストラリアを破った事実を忘れはならない。それ以前にも、川島は少なくとも2度、驚くべきセーブで日本の守備をけん引していた。

 一方、アギーレはより守備的なアプローチをチームに求めている。だからこそ、西川を日本のために起用しなくてはならないだろう。

 彼は、この5年間、Jリーグ、そしてアジアで最高のGKだった。非常に反応に優れ、それでいて冷静でDFの完璧なコントロールとマネージング力を持っている(悲しいトーンで終わることは心苦しい…)。

 そして最後に、非常に優れたPKストッパーではないだろうか?

【了】

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