4.本田圭佑は開花、香川真司はマンネリ
やはり、日本にとって最も効果的な攻撃的プレイヤーは本田圭佑だった(彼は、オーストラリアでは右サイドで起用され、中央でプレーしていない)。我々は、結局2010年へと回帰することとなった。
彼は、確かにアジアのトッププレイヤーの1人であり、セリエAで真のレギュラーとしての価値があることを証明した。しかし、懸念されるのはもう1人のスーパースター、香川真司のために描かれた絵だ。
ボルシア・ドルトムントのMFは、2011年のアジアカップ準々決勝で2ゴールを記録して彼以外の10人を救い、その後日本がトップに返り咲くことに貢献した。
しかし、オーストラリア(あるいはブラジル)で見られた香川の姿は、かつてアジアとブンデスリーガのDFたちを八つ裂きにしていた若者の“影”とも言えるものだった。
私は、2013年のメキシコ戦での脆弱なパフォーマンスが彼の衰退の始まりだったと考えている。さらにその後、モイーズの下でマンチェスターでの不運な日々が続き、多くの試合をベンチから眺めることで日本の10番は徐々に自信を失っていった。
オーストラリアでは、アギーレは中盤にこの25歳と遠藤のペアを起用することを選択した。
しかし、香川は全体的に印象深いプレーは何1つなかった。流れの中からわずかに1得点は決めたものの、ネガティブなパフォーマンスに終始し、強運を持っていたUAEに対してPKを失敗することで日本の挑戦に幕を下ろした。
2、3年前、私は香川がアジアのサッカー史で最も偉大なプレイヤーとなる事に賭けていた。チャ・ボムグン、奥寺康彦、アリ・ダエイ、パク・チソン、中田英寿、そして中村俊輔のように。
私は、まだこれが可能であると信じたいが、そのためには「シンジ」が自らの力で2013年から迷い込んでいるトンネルを脱出する必要がある(ここでは、私を含めたすべての日本のサッカーファンがこの願いを共有していることと彼への愛情を示すためにファーストネームを使った)。
例え、どんな重りが彼を衰弱させているとしても、彼は再び立ち上がらなければならない。そして、フットボールをプレーし、輝きを取り戻さなければならない。日本は彼を必要としている。もちろん、ドルトムントも彼を必要としている。そして、彼もそれを必要としているのだから。