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元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第14回 2014シーズンの始まり

サッカー批評誌上で2007年から5年間「哲学的思考のフットボーラー 西村卓朗を巡る物語」という連載を行っていた西村卓朗氏。現役引退後、VONDS市原の監督として新たな一歩を踏み出しました。

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

【これまでのお話】

2014年1月~3月 On the pitch

 2年目のシーズンは1月20日から始まった。

 新シーズンとはいうものの、大学新卒のルーキーや、途中加入する社会人選手も前職の引継ぎでピシッと揃わないのが、このカテゴリーの悩みである。

 チーム作りは少しずつ足並みを揃えていくような作業となる。Jリーグのチームがとるようなプレシーズンでのローパワー、ミドルパワー、ハイパワーのようなフィジカルトレーニングを時期を変えながらやることはあえてしなかった。選手が合流してくる時期もまちまちで、コンディションはそれぞれバラバラなことが多く、個別に対応していくしかなかった。

 2014シーズンのスタートで頭を悩ませたのは天候だった。雪が毎週末降り、トレーニングマッチ(TRM)が2週続けて流れてしまった。トレーニングすらできないことも多かった。こればかりはどうしようもなかったが、監督としてはチーム作りにおいてすごく焦りを覚えたのは事実だった。

 市の施設で練習をさせてもらうことが日常だったので、選手総出でとにかく雪かきをした。

 チームとして初めてのTRMとなったのが2月16日に行った町田ゼルビアとの対戦だった。この日も前日まで開催に向けたやりとりをしながら、なんとか試合開催にこぎ付ける形となった。次週には関東2部に昇格したジョイフル本田とのTRMを組んでいた。プレシーズンの出来としてはゼルビアとの試合は良い内容だったが、ジョイフルとの試合は、筋肉系の怪我をする選手が出てしまい、コンディション作りにおいては順調にはいかなかった。

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