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いま再確認する「We are REDS!」の意味。Jクラブ初のドキュメンタリー映画「We are REDS! THE MOVIE 開幕までの7日間」―東京国際フットボール映画祭 特別上映作品―

2015年2月7日(土)、8日(日)、11日(祝・水)に秋葉原UDXシアターで開催する東京国際フットボール映画祭が開催される。特別上映作品の「We are REDS! THE MOVIE 開幕までの7日間」は、シーズン開幕までの7日間を追ったJリーグクラブ初のドキュメンタリー映画だ。普段見ることができないロッカールームでの選手や監督、チームを陰で支える人たちの姿がリアルに映し出される。本作の解説を浦和レッズをこよなく愛する「本の雑誌社」の営業部員・杉江氏にお願いした。

text by 杉江由次

開幕前に上映されていたら「愚挙」は起きなかったかもしれない

Jクラブ初のドキュメンタリー映画「We are REDS! THE MOVIE 開幕までの7日間」
「We are REDS! THE MOVIE 開幕までの7日間」は2月7日18:00の回に上映

 埼玉スタジアムで「We are REDS!」と叫ぶと、ほぼ360度全方位から何万本もの腕が突き上げられ、「ウィー」と「アー」と「レッズ」がメインスタンドやバックスタンドの屋根に反響し、自分の耳に返ってくる。自分も発したその言葉によっていつも不思議な感情に包まれる。ときにはこらえきれず涙が溢れてしまうこともある。

「We are REDS!」

 それは浦和レッズのサポーターにとってはあまりに当たり前の言葉だ。ここぞという試合開始前、あるいは苦戦を強いられた試合中、また試合後想いを込めてコールする。しかし他の人にその言葉の意味を伝えるのは難しい。たった3つの単語なのに説明するにはたくさんの言葉が必要な気がするし、まったく言葉を使わずに伝えられるような気もする。

 いつもうまく説明できなかったその言葉の意味を、映画「We are REDS! THE MOVIE」は描いている。ホームゲームの「開幕までの7日間」、選手、クラブスタッフ、町の人々、そして私たちファンやサポーター、すべての場所にカメラが入り、見慣れた景色とまったく見たことのない風景が映しだされていく。

 ロッカールームで交わされるまるで少年団の子どものような山田直輝と原口元気の会話。試合中のクールさからは想像がつかない阿部勇樹の茶目っ気溢れる姿。寮の食堂で礼儀正しく大きな声で挨拶する梅崎司。いつまでもしゃべり続ける森脇良太。試合前日クラブハウスに掲示されたベンチ入りメンバーリストをじっと見つめる山田直輝。その山田直輝の想いを気遣う関口訓充の優しさ。試合前日のミーティングで細かく指導する監督ミハイロ・ペトロヴィッチ。引退してもなお現役のプレイヤーであるかのごとく冷静な眼差しで試合中継を見つめる堀之内聖。現役への未練どころかサラリーマンであることも信じられない山田暢久。

 選手やコーチだけではない。ずっと先のことを考えながら芝の手入れをしているグランドキーパー。選手が使う道具をそれぞれの好みに合わせて揃えるマネージャー。願いを込めてユニフォームに背番号を付けるスタッフ。試合当日、スタジアムの運営を支えるボランティア。

 私が前日抽選や試合当日早くから並んで待ち望んでいるように、選手やクラブも多くの時間とエネルギーを費やし準備しているのだ。知っているつもりだったけれど、知らないことがあまりに多いことに気付かされる。

 もしかすると「We」はいつの間にかひとりよがりの「I」になっていたのかもしれない。ときには「YOU」にしがちな選手やクラブを自ずとリスペクトする気持ちが湧いてくる。

 もし2014年の開幕前にこの映画が上映されていたら、最後に描かれることになってしまった「愚挙」は起きなかったかもしれない……。

 サッカーを愛する「I」と「YOU」が交錯するスタジアムだからなれるもの。それが「We」なのだろう。

「We are REDS!」

 私が知っている言葉の中でいちばん愛情と優しさにあふれた言葉。この映画は、愛情と優しさに包まれている。

【了】

「We are REDS! THE MOVIE 開幕までの7日間」上映スケジュール
2/7(土) 18:00~

チケットはこちらから

【東京国際フットボール映画祭 公式ホームページ】
http://football-film.jp/

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