負傷の長友を狙わなかったUAEのフェアプレー精神
本来は中東で最もモダンなパスサッカーを掲げるUAEは日本に勝利するために考えられるベストの手段を選択した。アリ監督は試合前、選手たちに「たまには美しいサッカーではなく、心からプレーするサッカーが必要だ」と伝えたという。
美しさを捨て、勝利を手にすることを優先させたアリ監督は、自分たちが準決勝に進むに相応しいチームであることを強調した。
ただ、ここで1つだけ言いたいことがある。UAEは延長前半で足を負傷しながら、交代枠を使い切っていたためにプレーし続けた長友の裏を徹底して狙うことはしなかった。
非情に徹するなら、快足のマブフートを右サイドに回し、そこに徹底して長いボールを入れていけば高い確率でGKの川島と1対1の場面を作ることができただろう。
あるいは長友がさらに足の状態を悪化させる結果になった恐れもある。勝利を求める中にもフェアプレー精神を失わなかったUAEのアリ監督と選手たちに敬意を表したい。
もちろん日本がUAEに勝てなかった要因は複合的で、諸手をあげてUAEの対策を賞賛するつもりはないが、世に言われるジャイアントキリングが起こるとき、勝つと予想されていたチームの問題が多分にある一方で、それを覆した理由も少なからずあるということだ。
今回は割愛したが、シュート精度の問題やチームの疲労度、4試合連続で同じ先発メンバーを用いたことの評価と要因など、また別の機会に日本視点の要因をまとめたいと思う。
【了】
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