日本代表のエースから“お荷物選手”に
金曜日の夜のこと。日本がUAEとのPK戦に敗れるとスタジアムには大きなどよめきが沸き上がった。優勝候補だったはずのサムライブルーは、運にも恵まれず、早々に大会を去ることとなった。
日本代表はよく組織され、自分たちの特長を活かしたスタイルで120分間戦った。データ分析会社『Opta』によれば、合計799本のパスを試みて、その成功率は90.1%を記録したという。
それでも、その圧倒的な優勢を活かすことが出来ず、35本も放ったシュートの内、枠を捉えたのはわずかに8本だけ。乾貴士、武藤嘉紀、豊田陽平らは簡単な決定機を逃してしまった。
そして、香川真司もまた非難されてしかるべきだ。ドルトムントでプレーする香川には多くのゴールチャンスがあった。そして敗戦を喫したPK戦では、日本代表最後のキッカーを務めた。
この25歳のMFが日本代表の“お荷物選手”になってしまってから、あまりに長い時間が経過した。ゴールから遠ざかっているにも関わらず、自然と彼がナンバー10に選ばれている状況は考え直されるべきかもしれない。
以前の香川とはもう同じではない。失敗に終わったマンチェスター・ユナイテッドへの移籍以降、日本代表でも貢献出来ず、調子は降下しているままだ。
ヨルダン戦で香川が待望の得点を奪うと、チームメートは一様に喜びを露わにした。元セレッソ大阪のアタッカーは、得点を決めたことが自信に繋がるともコメントを残していた。
代表選手としては、もう若手という年齢ではないが、アジアの中でトップ選手であることは間違いない。チームの模範となり、責任を与えられるべき選手だ。なぜ彼は長谷部誠や本田圭佑と共に最初の5人のキッカーに選ばれなかったのだろうか?
確かに本田もミスをした。しかし、彼が最初のキッカーを務めたことに不安を覚えることはなかった。一方で、香川は自分が陰に隠れていることに満足し、チームメートが試合を決定づけてくれることを望んでいた。